
コンプレッサーの設定は、スレッショルド→レシオ→メイクアップゲインの順に3ステップで決めていくと、初心者でも迷わず扱えます。
コンプレッサーは音量のばらつきを整えてくれる便利なエフェクトですが、パラメーターの数が多く、初心者にとっては「どこから触ればいいのか分からない」と感じやすいツールでもあります。
この記事では、数あるパラメーターの中でも特に重要な3つの数値に絞り、それぞれが何をしているのか、どんな順番で決めていけばよいのかを分かりやすく解説します。
音声のコンプレッサーの設定は何から決める?

まずはスレッショルド、レシオ、メイクアップゲインの3つを順番に決めていくのが、初心者にとって分かりやすい進め方です。
コンプレッサー設定の基本ステップ
- ●スレッショルド圧縮を始める音量ライン
- ●レシオ圧縮の強さの度合い
- ●メイクアップゲイン圧縮後の音量調整
スレッショルドとは何を決める数値?

スレッショルドは、「この音量を超えたら圧縮を始める」という境界線を決める数値です。
例えば話し声の大きい部分だけを抑えたい場合、その大きい部分よりわずかに低いレベルにスレッショルドを設定します。こうすることで、普段の話し声には影響を与えず、大きくなった部分だけを狙って抑えることができます。
スレッショルドを必要以上に低く設定してしまうと、通常の話し声まで常に圧縮がかかってしまい、不自然にこもったような音になりやすいので注意が必要です。
レシオとは何を決める数値?

レシオは、スレッショルドを超えた音をどのくらいの強さで抑えるかという「圧縮の比率」を決める数値です。
例えばレシオが2:1であれば、スレッショルドを超えた分の音量が半分程度に抑えられ、4:1であればさらに強く抑えられるイメージです。ナレーションなど自然な聞こえ方を保ちたい音声では、まず緩やかな比率から試してみるのがおすすめです。
レシオを最初から強くかけすぎると、音の強弱(抑揚)が失われて機械的で不自然な印象になりやすいため、まずは軽めの設定から始めて耳で確認しながら調整しましょう。
メイクアップゲインとは何を決める数値?

メイクアップゲインは、圧縮によって全体的に下がってしまった音量を、最後に持ち上げて元の聞こえやすさに戻すための数値です。
コンプレッサーは大きな音を抑える性質上、全体の音量感がやや小さくなる傾向があります。メイクアップゲインで持ち上げることで、圧縮による音量のばらつき軽減効果を保ちながら、聞き取りやすい音量に整えることができます。
ここで上げすぎてしまうと、抑えたはずの音量差が結果的に戻ってしまうこともあるため、あくまで「聞きやすい範囲まで」を意識して調整しましょう。
アタックとリリースも知っておいた方がいい?

3つの数値ほど優先度は高くありませんが、アタックは「圧縮がかかり始めるまでの速さ」、リリースは「圧縮が元に戻るまでの速さ」を決める数値として覚えておくと役立ちます。
初心者のうちは、多くのソフトに用意されている初期設定(デフォルト値)のままでも十分自然な効果が得られることが多いため、まずはスレッショルド・レシオ・メイクアップゲインの3つに集中し、慣れてきたら少しずつ調整してみるとよいでしょう。
強弱は保たれつつ、大きすぎる部分だけが自然に抑えられている
圧縮のオン・オフに合わせて音量が不自然に上下し、呼吸するように聞こえる
コンプレッサーは「音を小さくする道具」ではなく「音量のばらつきを整える道具」です。
コンプレッサーでよくある失敗は?

最も多い失敗は、レシオやゲインをかけすぎて音量の上下(ポンピング)が耳につくようになってしまうことです。
圧縮をかけると音量が均一になって「聞きやすくなった」と感じやすいのですが、かけすぎると抑揚がなくなり、逆に聞き疲れする音声になってしまいます。設定後は必ず、圧縮前の音声と聞き比べて、不自然さがないかを確認しましょう。
特にナレーション素材では、多少の音量差があっても内容が聞き取れれば問題ないケースが多いため、「完全に均一にする」ことを目的にしすぎないことも大切です。
よくある質問
Q. どの数値から設定を始めればいいですか?
A. まずはスレッショルドを決めてから、レシオ、最後にメイクアップゲインという順番で調整すると、初心者でも迷いにくくなります。
Q. コンプレッサーをかけすぎるとどうなりますか?
A. 音量の強弱が失われ、「ポンピング」と呼ばれる不自然な音量の上下が耳につくようになります。設定後は必ず聞き比べて確認しましょう。
Q. ナレーション以外の音声にも同じ考え方は使えますか?
A. 基本的な考え方は共通して使えますが、音声の種類によって適したレシオや強さは変わるため、素材ごとに耳で確認しながら調整することが大切です。
まとめ
コンプレッサーは、スレッショルド・レシオ・メイクアップゲインの3つを順番に決めていくことで、初心者でも扱いやすくなります。
ムビ楽では、音質面も含めた実践的な編集レクチャーを行っています。