
動画編集初心者がまず覚えるべき音量調整の目安は、ナレーション-6dB〜-10dB、効果音-15dB〜-20dB、BGM-25dB〜-30dBという「セリフ>効果音>BGM」の優先順位です。さらにYouTubeに投稿する場合は、全体のラウドネス値を-14LUFS前後に整えるのが基本です。この数値を出発点にしつつ、最後は必ず耳で聞き比べることが、聞きやすい動画への近道です。
動画編集を内製化したばかりの担当者がまずつまずきやすいのが、音量調整です。
映像のクオリティに気を取られがちですが、実は視聴者の離脱に直結するのは「聞き取りにくさ」であることが多く、音量バランスは動画の完成度を左右する重要な要素です。
動画編集の音量調整の目安は?
結論から言うと、動画編集の音量調整の目安は「ナレーション-6dB〜-10dB」「効果音-15dB〜-20dB」「BGM-25dB〜-30dB」の3段階で、YouTubeに投稿する場合はさらに全体を-14LUFS前後に整えるのが基準です。
音量調整の目安値 早見表
- ●ナレーション(ボイス)-6dB〜-10dB
- ●効果音(SE)-15dB〜-20dB
- ●BGM-25dB〜-30dB
- ●YouTube投稿時の全体ラウドネス-14LUFS前後
この目安はあくまで出発点です。撮影環境やナレーターの声質によって最適な数値は変わるため、最終的には耳で聞き比べて微調整することが欠かせません。それぞれの数値がなぜこの範囲なのか、ここから順番に解説していきます。
なぜ音量調整が動画編集で重要なのか

音量調整が重要なのは、内容がどれだけ良くても聞き取りにくい動画は最後まで見てもらえないからです。
映像の見た目が多少粗くても最後まで見てもらえることはありますが、音声が聞き取りにくい動画は早い段階で離脱されやすい傾向にあります。
特にスマートフォンでの視聴が中心のSNS動画では、周囲の環境音に負けない音量設計が欠かせません。
ナレーション(ボイス)の音量はどう基準にすべきか

ナレーションの音量は、動画全体の基準として最初に固定し、編集ソフトの音量メーターで目安として-6dB〜-10dBに収まるよう整えるのが基本です。
大きすぎず小さすぎず、はっきりと聞き取れる音量にナレーションを整えることが、音量調整の出発点になります。ナレーションは情報を伝える核であり、すべての音量設計はここを基準に組み立てていきます。
BGMや効果音を先に配置してからナレーションを後追いで調整すると、全体のバランスが崩れやすくなるため注意が必要です。
編集の最初の工程で、必ずナレーションだけを聞き通し、音量メーターが-6dB〜-10dBの範囲に収まっているかを確認しておきましょう。
効果音・BGMはそれぞれどんな役割を持つのか

効果音は視聴者の意識を誘導する「間接的な情報」、BGMは視聴者の感情を動かす「心理的な演出」という、それぞれ異なる役割を持っています。
効果音は映像にリアリティを与え、画面に映っていない情報まで表現できるという特性があります。ドアの開閉音や足音のように、映像には映っていない状況を音だけで伝えられるのが効果音の強みです。
一方でBGMは映像のトーン&マナーを決定づけ、ストーリーの心理的演出を加速させる役割を持ちます。同じ映像でも、明るいBGMと重いBGMでは視聴者が受け取る印象がまったく変わってしまうほど影響力があります。
BGMの音量はどのくらいに抑えるべきか

BGMの音量は、ナレーションより十分控えめな-25dB〜-30dBを目安に抑えるのが基本です。
音量調整の目安値(音量メーター基準)
- ●ナレーション(ボイス)-6dB〜-10dB
- ●効果音(SE)-15dB〜-20dB
- ●BGM-25dB〜-30dB
実は「セリフ>効果音>BGM」というこの優先順位、動画の目的が「理解してもらうこと」なのか「感情を動かすこと」なのかによって、組み替えるべきだという考え方があります。
解説・チュートリアル・会社紹介など、視聴者の「理解」を助けたい動画
優先順位: ボイス > 効果音 > BGM
世界観や情緒を打ち出したいCM・演出重視の動画など、視聴者の「心」を動かしたい動画
優先順位: ボイス > BGM > 効果音
迷ったときは、その動画が視聴者に「理解」してほしいのか「心」を動かしてほしいのかを自分に問い直すと、優先順位がぶれにくくなります。ナレーションが常に最優先である点は、どちらの場合も変わりません。
さらに正確な指標として、動画全体のラウドネス値を数値で管理する方法もあります。YouTubeに投稿する動画は、Integrated(LongTerm)のラウドネス値が-14LUFS前後に収まるよう調整するのが基本とされています。編集ソフトのラウドネスメーターでこの数値を確認できる場合は、書き出し前の最終チェックに使うと安心です。
ナレーションが入っている場面だけBGMをさらに下げる「ダッキング」という手法を使うと、聞き取りやすさが格段に上がります。
BGMを編集するときに知っておきたいコツ

BGMを映像の尺に合わせてカットするときは、曲の頭から適当に切るのではなく、4小節や8小節といった音楽的な区切りの単位でカットすると、不自然さがぐっと減ります。
BGMには基本的に一定のリズムのまとまりがあり、そのまとまりの途中でぶつ切りにすると、聞いている側は無意識に違和感を覚えます。
BGMを自然に聞かせる4つのコツ
- ✓曲のフレーズの区切り(4小節・8小節)を目安にカットする
- ✓尺が足りないときは、曲の展開が近い箇所同士をつなぐ「ループポイント」で延長する
- ✓映像のカットの切り替わりやサビ・盛り上がりに、BGMの展開(イントロ→Aメロ→サビなど)を合わせる
- ✓つなぎ目には必ずフェードイン・フェードアウトやクロスフェードを入れる
つなぎ目で音量や音色が急に変わると、視聴者はすぐに気づいてしまいます。特にフェードイン・フェードアウトを入れる習慣をつけるだけでも、BGMの唐突な始まり方・終わり方が解消され、仕上がりの印象が大きく変わります。
音量バランスの確認はどう行うべきか

音量バランスの確認は、編集ソフトの数値だけに頼らず、実際にスピーカーやイヤホンで耳で聞き比べることが欠かせません。
書き出し前にチェックしたい3つのこと
- ✓音量メーターで各トラックが目安のdB値に収まっているか確認する
- ✓静かな環境で最初から最後まで通して聞く
- ✓スマートフォンのスピーカーでも確認する
編集ソフトの音量メーターの数値はあくまで目安として使い、最終判断は必ず耳で行う習慣をつけましょう。0dBを超えると音割れの原因になるため、どのトラックも0dBを超えないように注意してください。
効果音を使う場合の音量はどうすべきか

効果音を使う場合は、目安として-15dB〜-20dB程度、ナレーションやBGMより目立たせすぎない音量に抑えるのが基本です。
初心者ほど効果音を目立たせたくなりますが、多用すると動画全体がうるさい印象になり、かえってクオリティが低く見えてしまいます。
「迷ったら音量を下げる」
音量調整で判断に迷ったときは、上げるより下げる方向で調整しておくと、失敗が少なくなります。
よくある質問
Q. 音量調整に専用の機材は必要ですか?
A. 必須ではありません。まずは編集ソフト内蔵の音量メーターとイヤホンがあれば十分対応できます。
Q. ナレーション・効果音・BGMの音量目安を教えてください。
A. 目安としてナレーション-6dB〜-10dB、効果音-15dB〜-20dB、BGM-25dB〜-30dBです。「セリフ>効果音>BGM」の優先順位を守ることが基本になりますが、感情を動かしたい演出では「セリフ>BGM>効果音」に組み替える場合もあります。
Q. YouTubeに投稿する場合、音量の最終チェックはどうすればいいですか?
A. dBの目安に加えて、全体のラウドネス値(Integrated / LongTerm)が-14LUFS前後に収まっているかを確認すると、より安定した音量で公開できます。
Q. 全ての動画で同じ音量設定を使い回してよいですか?
A. 撮影環境やナレーターによって最適な設定は変わるため、上記のdB値を出発点にしつつ、動画ごとに耳で確認する習慣をつけることをおすすめします。