
商品撮影の照明選びは、光の柔らかさ(拡散の度合い)と光源の数・配置という2つの軸で考えると、迷わずに整理できます。
商品撮影の動画を内製化しようとしたとき、多くの担当者がつまずくのが照明選びです。カメラや構図には気を配れても、光の当て方まで意識が回らず、仕上がりに差が出てしまうケースは少なくありません。
この記事では、特定の機材に頼らず、どんな環境でも応用できる照明選びの基本的な考え方を整理して解説します。
商品撮影の照明の選び方はどう考えればいい?

「光の質(柔らかいか硬いか)」と「光源の数(1灯〜3灯)」の2軸で考えるとシンプルに整理できます。
照明選びの基本チェックポイント
- ●光の質柔らかい光か硬い光か
- ●光源の数1灯〜3灯で検討
- ●商品の素材マットか反射しやすいか
なぜ柔らかい光(拡散光)が商品撮影に向いているのか?

柔らかい光は影の境目がなだらかになり、商品の形をきれいに見せてくれるためです。
拡散された柔らかい光は、光源が直接当たったときのような強いハイライトや濃い影を生みにくく、商品の質感や形状を自然に伝えられます。ディフューザーとなる素材を光源と商品の間に挟むだけでも、光は大きく柔らかくなります。
特に化粧品や食品、アクセサリーなど繊細な質感を見せたい商品では、柔らかい光が基本になります。
直接光(硬い光)を使うとどうなる?

くっきりとした影や強いハイライトが生まれ、素材によっては質感が誇張されすぎることがあります。
直接光は輪郭をシャープに見せたい場合や、力強い印象を出したい撮影には有効ですが、商品の細部が影に沈んでしまったり、金属や樹脂などで不要な反射が強調されたりするリスクもあります。用途に応じて使い分ける意識が大切です。
迷ったときは「柔らかい光を基本」にし、必要な部分だけ硬い光でアクセントを加えると失敗しにくくなります。
2灯・3灯のライティングはどう考えればいい?

「主役の光」「影を和らげる光」「背景を分離する光」の3つの役割で考えると理解しやすくなります。
最も基本となる1灯(キーとなる主光源)に加え、反対側から影を和らげる光を足すことで立体感を保ちながら見やすい仕上がりになります。さらに背景と商品を分離させたい場合は、後方や上方から補助の光を加える方法もあります。
いきなり3灯を揃える必要はなく、まずは1灯を柔らかくすることから始め、必要に応じて光源を足していくのが内製化では現実的です。
機材も手間も少なく始めやすいが、影の出方に工夫が必要。
セッティングの手間は増えるが、立体感と背景分離を両立しやすい。
商品の素材によって照明の当て方はどう変える?

マット素材と反射しやすい素材では、光の強さと角度の考え方を分けて調整します。
マット素材は光を乱反射させるため、比較的自由に光を当てても質感を保ちやすい一方、光沢のある素材や金属製品は光源の映り込みがそのまま画面に出てしまいます。反射しやすい素材には、光を面で拡散させたり、角度をずらして直接の映り込みを避けたりする工夫が必要です。
照明は「足し算」よりも「調整」が重要で、灯数を増やす前に光の質を見直す価値があります。
照明の色温度はどこまで意識すべき?

複数の光源を使う場合は、色温度をできるだけ揃えることが基本です。
色温度が異なる光源を混在させると、商品の色味が部分的に変わって見えてしまい、ブランドカラーの再現性が損なわれることがあります。撮影前に光源同士の色味を見比べ、できるだけ近い色温度に揃えておくと後の色調補正も楽になります。
照明セッティング前チェックリスト
- ✓光を拡散させる素材(ディフューザー等)を用意したか
- ✓商品の素材(マット・反射)に合わせて角度を調整したか
- ✓複数光源の色温度を揃えたか
よくある質問
Q. 照明機材がなくても撮影できますか?
A. 窓からの自然光をディフューザー代わりのカーテン越しに使うなど、工夫次第で柔らかい光を再現することは可能です。
Q. 何灯から始めるのがおすすめですか?
A. まずは1灯を柔らかくすることから始め、影が気になる場合に2灯目を足していくのが現実的です。
Q. 反射する商品にどうしても写り込みが出てしまいます
A. 光源の位置やカメラの角度を少しずつずらすことで、映り込みの位置をコントロールできる場合が多いです。